ハワイサンセット-オアフ島-ワイキキ

ホームステイ最高!でも「絶対にあけちゃダメ」

アメリカ留学で、ホストファミリーと一緒に暮らすってどんな感じ?

少し不安はあるけれど、憧れる「ホームステイ」

今回は「アメリカでのホームステイ」がどんな感じだったのか。

私の体験談をシェアさせていただきたいと思います。

はじめに

「ホームステイ」や「ホストファミリー」の概念は、お世話になるファミリーによってさまざまです。

同じアメリカでも、滞在する州や地域により費用なども変わってきます。

このお話は「アメリカ」という土地でホームステイした1人のお話として、参考までに聞いていただけたら嬉しいです。

寮生活のおわり

4か月のアメリカ語学学校、そして寮生活もそろそろ終わり。

寮の契約を更新をするか、しないかという選択に迫られました。

「みんなお友達とルームシェアするんだ…」

日本からの仲間とアパートに住む人が多かったです。

寮はどの選択肢よりも高めだったので、アパートも考えました。

しかし「私のレベルで、ルームメイトと日本語を話したらまずい」

日本の仲間と一緒も楽しそうでいいけど…

「ホストファミリーを探そう」

ホストファミリー探し

その時ホームステイをしている仲間が近くに誰もいず、情報がほとんどありませんでした。

「どうやって探そう?」

語学学校の先生になんとなく聞いてみると「カウンセラーのところへ行ってみて」

なんとカウンセラーの先生が、ホストファミリーのリストを持っていました!

「希望はあるの?」

ホストファミリーと1言にいってもさまざま。

お家に住む人の数、大学からお家までの距離、ハウスルールなどなど。

私の希望は「犬がいるファミリー」

実家のポメラニアンが恋しくて恋しくて…

ホストファミリーのリストには、住所や電話番号、あとは確かお料理の提供の有無など書いてあったと思います。

リストは長いものではありませんでした。

「あまりえり好みはできないな」

カウンセラーの先生が「詳しいことは電話するか、直接会って聞いてね」

そこで、気になったお家を2軒選んでみました。

「電話してみよう」

ホストファミリー決定まで

流れはシンプルにいうとこんな感じです。

電話をして会う約束をする

お家を見せてもらい契約条件を聞く

お世話になりたいと伝え決定

そのあとは、いつから入居させてもらうかなどを話します。

契約書があるわけでもなく、ルールがあるお家は、口頭で伝えられることがほとんどです。

1軒目

1軒目は、おばあちゃんの一人住まい。

とても静かなお家には、空き部屋が2つあり、2人受け入れをする予定とおっしゃいました。

ご飯は夜のみ。

学校からは自転車でも15分くらいと、あまり遠くない。

おばあちゃんも優しく安心しました。

「でもわんちゃんがいない…」

2軒目

2軒目は、ホストパパとママ、娘さんのファミリー。

ママの車でお家に着くと、元気なダックスフンド3匹が出迎えてくれました!

未来の私の部屋には、大きなクイーンサイズのベッド、隅にデスク。

窓から、お庭のプールが見えました。

クローゼットの1部が空いており、「ここを使っていいからね」

吹き抜けのキッチン、そしてそこから見下ろせる広く開放感のあるリビング。

お庭からの光がサンサンと差し込んでいます。

オウムも元気で「ハローハロー」と話しかけてきます。

なんて素敵なお家!!

その日はママにしかお会いできませんでしたが、すぐに気に入り、入居を決めました!

おばあちゃんには後日、お断りの電話をしました。

ホームステイの条件

ご飯は夕飯のみ。

月々にお支払いするホームステイ代。

条件として言われたのは、これだけです。

「そんなものなのかな」

そう当時は思いましたが、ルールが色々あるお家もあります。

聞いたことがあるのは、お風呂は1日1回まで、お友達を招いてはだめなど。

私のホームステイ先は、「常識の範囲内という意味なんだな」と理解しました。

ご飯

朝はシリアル。

大学用のランチは、夕飯の残り物をつめたお弁当か、サンドイッチを自分で作っていました。

朝と午後のクラスの時間に大きなギャップ(ときには5時間以上!)があるときは、ランチはお家で。

でもお家の冷蔵庫には、常備何かあるわけではなかったので、食べられそうな冷凍ものをお皿に少しづつのせ温めたり。

夕飯は、コストコの便利なものがメインのことが多かったですが、ママの手作りサラダはほぼ毎日。

パパはお庭でお肉をグリルしてくれたり!

どれもとっても美味しく大満足。

しかもパパがお米を炊いてくれたので、さらに最高でした。

お買い物

よく一緒にお買い物に行き、食品関係でほしいものは、言えばなんでも買ってくれました。

ただ私はかなり遠慮がちでシャイで、朝食はシリアルでは足りなかったので、トースターで温められるワッフルなど欲しかったのですが言えず…

「ランチのパンを食べればいい!」

あまりわがままを言わないように、とにかく必要最低限のものだけ買ってもらっていました。

必要なものを買ってもらうのは「わがまま」ではないと思うので、もっとちゃんと伝えられていたらよかったなぁと思います。

シャンプーやリンス、洗濯洗剤のような日用品はすべて提供してくださりました。

日常生活

ファミリーはマスターベッドルームのシャワーを使い、私はひとりでお手洗い付きのバスルームを使わせてもらっていました。

ママが買いそろえたトレーニング機材もあり、好きな時にエクササイズ。

プールもいつでも入れて、ダイヤルアップでインターネットを使っていた私のため、お部屋に電話もおいてくれました。

私専用のプリンター、ビデオテープが観れるずんぐりとしたテレビなど。

ママはお休みの日、娘さんとお出かけのときはいつも私に声をかけてくれました。

パパは自転車のパンク修理、以前のストーリー「アメリカ大学でされた差別」を聞いて下さった方はご存知の通り、勉強のサポートまでしてくれました。

ハリーポッターが大好きな娘さんは、私にDVDを貸してくれたり。

これ以上ないすばらしいファミリーでした。

年に1度だけ…

私のホストファミリーは年に1度「旅行」にお出かけ。

優しいファミリーは「一緒にこない?」といつも誘って下さりました。

「行きたいけど大学休めない…泣」

ファミリーともっとたくさん時間を過ごしたかったので、いつも残念で仕方ありませんでした。

しかし、「この広いお家で1人と3匹と1羽…」

しかも異国にいるという事実も、「なんだか想像しただけで怖い」

ホストママに「知らない人が訪ねてきたら、ドアは絶対にあけちゃダメ!」

そう念を押されました。

そしてホームステイをして、はじめて1人での長いお留守番のときがきます。

ホームアローン

1階建ての広いお家。

私の部屋は玄関から一番近く、その事実もなぜか不安になる、そんな一人の夜。

「このお家、こんなに静かだったっけ…」

窓から見えるプールも、夜は黒い水たまりでなんだか不気味。

「怖いから自分の部屋から出たくない…」

ファミリーが私のために漬けておいてくれたチキン。

「大好物のはずなのに、なんだか食欲がわかない」

お風呂を早々にすませ、いつもより早めに寝ることにしました。

ぎゅーぎゅーのベッド

いつもならパパママと寝るワンコ3匹が、私のベッドに上りたくてワンワン吠えています。

ステップを作ってあげると、3匹ともベッドに飛び乗ってきました。

「ハローハロー」

暗いキッチンから聞こえるオウムの鳴き声も「なんか怖い…」

とにかく怖かったので、いつもは閉めない自分の部屋のドアをしっかり閉めました。

私の脇、腰、脚にそれぞれわんちゃんがピッタリくっついて、なんとも寝心地の悪い体勢で寝ることになりました。

玄関から音

ホストファミリーのお家の玄関のドアは二重になっていました。

外側の木の扉と、内側の鉄の扉。夜は両方閉めます。

まっくらな私の部屋、とにかく家じゅう真っ暗。

なかなか寝つけずにいたら、玄関から「ドンドン!」

「ん!?」

誰かがドアをたたいています。

「こんな時間に!?」

「知らない人だ。絶対にドアはあけちゃダメ」」

そしたら、わんこたちがワンワンものすごい勢いで吠えはじめ、とても焦りました。

「しーしー!!」

すると「ガチャガチャ、どどど…」

あきらかに木の扉が開いた音。

「えぇぇぇぇ!!!?なに!?泣」

すると…

「…キーッ」

「え!?鉄の扉も開いた…」

大パニック

ワンコたちの声で、侵入者の音がまったく聞こえません!

「なんとかしなくちゃ」

ドアを開けられないようにドアノブをおさえていたら「トントン」

「(がーーーーん)」

居場所がバレてしまった…

「ハロー?」

「なんだか聞き覚えのある声…」

「ユリ、そこにいるのかい?」

「へ!???私の名前?」

パパの声じゃない男の人の声。

「も、もしかして」

ドアをあけると…

そこにはなんと、何度か会ったことのあるパパのお友達。

「ヘイ!ユリ!マクドナルド買ってきたぞ!」

マクドナルド食べたい

「お、おじさん…涙」

おじさんは爆笑しながら、「家の中が真っ暗だったからびっくりしたよ」

「こんな時間にいつもは寝ないだろう?」

パパママが留守の間、私の様子をたまに見に行ってと頼まれていたそう。

パパママのやさしいに心が温まりました。

しかも鍵まで預かっていたなんて…

「フレンチフライ食べるだろう?」

もう、そのおじさんの陽気さに笑えてきました。

「はい…頂きます!笑」

夜10時は過ぎていましたが、おいしく有難くいただきました。笑

ホームステイ事情

私のホストファミリーの旅行は1週間以上。

私の両親には「1人で留守番は危ない」と言われていました。

それと、ホームステイ先から大学までの距離。

便利とは言えない立地で、自転車で片道約30分。

バス停までも歩ける距離ではなく、自転車で15分ほど。

アメリカのバスには、3台ほど自転車を乗せれる荷台があるのですが、もし空きがないと乗れません。

「そんなリスクは負えないなぁ」

出費を最小限に抑えようとしていた私は、車が買えず、自転車しか手段がありませんでした。

道があるようでないような通学路だったので、危険で片手運転ができず、傘はさせず。

雨の日はびしょびしょ。

リュックサックには、後輪からはねた泥がつきました。

夜、車もほとんど通らない、街灯のない道路わきを走るときはとても怖かったです。

現地の生徒たちはほぼ車通学。

または寮から歩くか、大学周辺のアパートから自転車か、徒歩。

この自転車の通学路が確かにネックでしたし、年に一度でも「ホームアローン」は怖かったです。

でも、「ものは見方次第」「このファミリーと暮らせるなら大したことない!」と思っていました。

旅行先から必ず、私用にお土産を買ってきてくれる優しいファミリー。

「この通学が一生続くわけじゃない」

その他ホームステイいろいろ

アパートでルームメイトと上手くいかず、ホームステイに移った。

1組目のホームステイ先の環境が合わず、違うホームステイ先に移った。

「ホームステイ」といっても条件も、住む人の事情もいろいろ。

私以外のホームステイ体験者さん本人のお話を、参考までにシェアさせていただきますね!

【#1 おばあちゃんの1人暮らし】

朝昼晩とご飯を作ってくれるおばあちゃん。

お家には2人生徒が住んでおり、それぞれ個々の部屋がありました。

カントリー調のこじんまりとした、温かみのあるお家。

おばあちゃんは明るくて、おしゃべり好きで、生徒2人を自分の孫のように可愛がっていました。

私の大学からは遠かったですが、そこに住む生徒さんたちが通っていた学校からはアクセスよし。

バス停も近くにあり便利で、その環境にとても満足されていました。

【#2 おばあちゃんの1人暮らし】

2人まで受け入れ可能なお家。

朝昼晩と面倒をみてくれるおばあちゃん。

お昼は、おばあちゃんが残り物をつめてくれたお弁当。

お菓子作りが好きなおばあちゃんは、クッキーやケーキなど毎日出してくれたそうです。

夕飯は手作りのものが多く、とってもおいしいから「つい食べすぎちゃう」と言っていました。

最初は1人でしたが、後に入居された方とも仲良くやっていました。

【#3 お母さんと大学生の娘さん2人暮らし】

夕飯は提供のはすが、作ってくれたりくれなかったり。

作ってくれない日は、家にあるものを自分で食べるか、実費で外で食べるか。

ある日お腹を空かせて、お家にあった食材を食べると激怒されだそうです。

「勝手に食べないで」

「食べたいものがあるなら自分で買いなさい」

また別の日、自分で買ったお肉を冷蔵庫にいれておくと…

「お肉を冷蔵庫にいれないで!」

そう怒られてしまったそう。

実は、ホストママと娘さんはベジタリアン。

お肉を冷蔵庫にさえ入れたらいけないことを知らなかったそうです。

たまに作ってくれる食事も口に合わず、結局その子は引っ越してしまいました。

自分に合うことは大切

「ホームステイの条件」も「ホストファミリーとの相性」も、住んで感みなければ分からないことが多いです。

私のホストファミリーを「うらやましいな~」と言ってくれたお友達がたくさんいました。

でも「片道30分かけて自転車で大学に通っている」という事実を聞いた後、車のない人は「それはきついな」という人が多かったです。

でも逆に車があったり、私のようにファミリーにぞっこんであれば「まったく気にならない」人もいます。

#1のお話好きなおばあちゃんと会話を楽しむ人もいれば、勉強に集中したいと思う人もいるでしょう。

#2のお家のご飯やデザートがどんなにおいしくても、ハウスメイトを持つことが心地よくない人もいるかもしれません。

逆に#3のケースで「自分自身もベジタリアン」な場合、他の条件は置いておいても、その環境は最適なものに思えるかもしれません。

「ホームステイの条件」に対する見方は、自身のおかれた状況により全く変わってきます。

「費用の安さ」が気に入れば、「これくらい我慢するか」と思える条件もあります。

ファミリーが自分も同意した「条件通り」のものを提供してくれる場合、あとは「ものの見方」を変えたり、自分をその環境に合わせることで、慣れていくケースもあります。

条件の一般的な見方をした場合の良しあしよりも、「自分に合うかどうか」それを見極めるのはとても大切です。

あとは「そのホームステイ先で危険がないこと」

私の場合、特に暗くなってからの通学路が「危ない」と思いましたし、周りにも言われました。

しかし「このファミリーがどうしてもいい」と思っていたので、ホームステイ先を変えることはありませんでした。

隣の芝生は青く見える

特に留学したてのころ、お友達と自分の環境を比べて「うらやましい」と思うこともあるかもしれません。

でも、そのお友達の環境が「自分にも合う」かどうかは分からないものです。

そんなときは、お友達と体験をシェアしてみるのはおすすめです。

「みんなもいろいろある」

ということが、きっと分かるはず。

見えていたものと、実際の状況にはギャップがあることが多かったです。

いろいろな話を聞いて、ものの見方を調節する中で「いまある状況に感謝しなくちゃ」と思えることもあります。

または逆に、自分の話を聞いてもらい「あなたがその環境でやれるなら、私もやってみるよ」と勇気づけられる人がいるかもしれません。

個人的にホームステイは最高の経験となりました。

ホストファミリーがいてくれたから乗り越えられたことも多く、今でも心から感謝しています。

ファミリーが恋しい

余談ですが…

日本に帰国後、ホストファミリーにお礼のお手紙を出したものの、返事がなく、なんとなく音信不通になってしまいました。

「忙しくされているのかも」

「何か環境が変わったのかも」

Facebookのようなものも当時私はやっていなかったので、繋がれる手段がなくなってしまったのです。

「あぁもうひと目お会いしたい」

そんなこんなで、長い月日が流れました。

私の環境もがらっと変わりましたが、お世話になったファミリーの話はよくお友達にしていました。

再会

再会の日は突然、予期せぬ形で訪れました。

なんと、その舞台はラスベガス!

ラスベガス大通りにある「ハーシーズ」でお買い物していると、ホストパパそっくりの人が!

かなりの月日が流れていましたが、99%確信がありました。

「パパ!」

パパはあまりに驚かれている様子だったので、「私を覚えていますか?」

パパは「ユリじゃないか!」

こんな広いアメリカで、たまたま同じ時間に私たちがラスベガスにいて、ハーシーズで会うなんて!

ずっと直接会って伝えたかった感謝の気持ちで溢れました。

「みんな元気でやっていること」「あれから状況が変わり、私が最後の受け入れだったこと」

色々話してくれました。大好きなパパに会い、たくさんのエネルギーをもらいました。

大好きなファミリーと自分の人生がまた交われたことに、心から感謝しました。