老後生活は崩壊していない!日本とこんなに違うアメリカ高齢者の生活

「老後の生活」と言うと、年金制度の崩壊や老後破産など不安になるような話が多いですね。

お金の話は大切ですが、老後の過ごし方を考えたとき、それが楽しみになるような話題はないのか…

そこで「暗い話題ばかりを聞いて不安になるのはやめよう」をテーマに、今回は日本とアメリカを比べ、老後生活に関する明るい話題だけを集めました。

海外移住者の私が知るアメリカ高齢者のリアルな生活、見ていきましょう!

ちなみにシニア(高齢者)って何歳から?

海外の人がすごいと称賛-流石日本-日本-お年寄り-高齢者-japan-eiders-oldpeople

アメリカでは「シニアは何歳から」という定義が、その言葉が使われる時と場合により変わります。

特定のサービスなどを受けれる年齢を、それを提供する会社や団体が個々に決めるからです。

ちなみに連邦政府が管理している、メディケア制度と呼ばれるアメリカの高齢者と障害者の保険制度は「65歳以上」としています。

老後生活の違い日本とアメリカ

シニアメニュー

アメリカ生活-車椅子-シニアメニュー
アメリカではほとんどのレストランにキッズメニューというものがあります。

小学生くらいまでの子供用に用意されたメニューがそろい、少ない量で格安に提供してくれます。

そして州によっては、キッズメニューのシニア版「シニアメニュー」というものがあります!

そのレストランが決めたシニアの年齢であれば、通常メニューの量よりも少なく、格安な値段のものをオーダーすることができます。

写真のレストランは「55歳以上」となっています。

アメリカは基本的に、日本よりもレストランで出される量が多いので、通常メニューから頼むと、わりと沢山食べる私でも持ち帰ることがあります。

それゆえシニアメニューのあるレストランに行くと、「このシニアメニュー私も頼みたい」といつも思います。笑

おつかいピックアップ&デリバリー

アメリカにはなんと、オンラインで欲しいものをオーダーして、自宅まで届けてくれるというサービスがあります。

オンラインといっても、携帯一本で簡単に操作できるようなものです。

少し前までは、サービス代行の業者がスーパーで買い物を済ませお家に届けるというものがありましたが、最近はそのサービスをスーパーがやってくれます。

アメリカの大手スーパー「ウォルマート」を例にしますが、このスーパーがチャージする費用は現時点で、1デリバリーに対し約800〜1000円、または約1300円のマンスリー、または約1万円の年会費というオプションがあるそうです。

もしそれが高いなと感じるのであれば、オーダーした商品をスーパーでピックアップできるサービスがあります。

アメリカ生活-車椅子-スーパーマーケット-ピックアップサービス

ウォルマートの入り口付近に冷凍や冷蔵も保管できる大きなオレンジ色の機械があり、お客さんは機械にオーダーナンバーのような物を入力するだけ。

アメリカ生活-車椅子-スーパーマーケット-ピックアップロッカーサービス

オーダーした商品を機械または横のロッカールームのようなところから受け取れます。

この場合スーパーに行くお店を歩き回る必要がなくなりますし、日本円で約3000円以上のお買い物をすれば、無料でこのサービスを利用できます。

老人ホームではないシニアホーム

アメリカには「Senior Living(シニアリビング)」という、高齢者の方が暮らす場所の総称があります。

シニアリビングには色々なコミュニティーがあり、ケアやサービスが選ぶコミュニティーにより変わってきます。

日本でよく聞く「老人ホーム」は、ジニアリビングの中で「Nursing Home(ナーシングホーム)」と呼ばれるものが一番近いと思います。

サービスの内容は異なると思いますが、日本と同じようにナースによる介護が24時間受けれるような場所です。

そして色々あるシニアリビングの中には、「Active Adult(アクティブアダルト)」と呼ばれる、自立した生活が送れる高齢者の方が住む場所があります。

ここのサービスがすごいです!

私が実際に生活を見せてもらった場所は、18歳以下の子供との同居ができないなどのルールはありますが、55歳以上であれば誰でも住めます。動物も大丈夫です。

そして何より驚くのが、これだけのサービス込でも、州により違いがあると思いますが、家賃がシニアホームではない普通の賃貸よりも安いということ!

アメリカでは高齢者が優遇を受けられる州は多いです。

高い天井、広いキッチン、キッチンから見える広いリビング、広々とした寝室、室内にある大型洗濯機と乾燥機。

3階建てのビルで、エレベーターがあり、お家の中もバリアフリーで段差があるのはシャワールームにあるバスタブくらいです。

ビルに一歩入れば完全室内で、ポストも室内。お部屋の窓はすべて二重構造になっていて、熱気も寒気も一切入ってこず、ホテルのような作りです。

温水プール、映画が見れる大きなテレビやジム、卓球台、キッチンなどがあるレクリエーションルームもあります。家族と集まり誕生日パーティーなどをしたいときは、貸し切ることもできます。

レクリエーションルームでは「映画ナイト」「ビンゴ・ゲームナイト」「椅子ヨガ」など、住民を楽しませる色々なフリーアクティビティが行われ、毎月スケジュール表が部屋に届きます。

中でもそれすごい!と思ったのは、ゴミ出しサービス。ゴミを袋にまとめて、それをゴミ箱に入れて玄関の前に置いておくと回収してくれ、空のゴミ箱だけを残してくれます。

近所のスーパーへ連れて行ってくれる、車での送迎サービスもあります。

便利すぎる車椅子生活

アメリカ生活-車椅子-スーパーの電動カート

アメリカでは車椅子がどこでも気軽に利用できます。

また電子車椅子という、電子自転車を運転するような感覚で簡単に操作できるものもあります。

アメリカはスーパー、郵便局、レストランなど、どこに行っても通路が広く、車椅子がアクセスできる作りになっています。

でも車椅子だと、引くタイプのドアだと開けられない…そう思いますよね!

法律があるからかもしれませんが、自動ドアでなかった場合、ドアに近い見やすい場所に大きなボタンがあり、それを押すとドアが自動で開くようになっています。(動画に映像があります)

アメリカでは車椅子の利用者が多いので、利用する方に不便がないようにと考えられたシステムやサービスが街中に溢れています。

驚くこと間違いなしな8つ集めました!

1.低いボタン

アメリカ生活-車椅子-キヨスクタッチパネル

私が思いつく限りのアメリカにある機械は、すべて車椅子でもアクセスがしやすいように工夫されています。

ここまで!と驚いたのは、アメリカではかなり当たり前になってきたファーストフード店でキオスクでのオーダー。

縦長の機械で上の方のボタンを車椅子からでも押しやすいように、車椅子専用の画面というのがボタンひとつで使えます。車椅子用のボタンを押すと、全ての表示が画面の下のみに現れます。

ちなみに細かい字が見えづらい方用のボタンもあり、画面上の虫眼鏡を使えます。

アメリカ生活-車椅子-ドリンクディズペンサー

例えばアメリカのファーストフードでは、ほとんどの場合飲み物がセルフなのですが、その機械にも車椅子用ボタンがあります。座った状態ではタッチパネルが届かないからです。

車椅子ボタンを押して、矢印を使ってお好みのドリンクを選び、誰の助けもなく自分でドリンクをゲットできます。

2.空港でのケア

アメリカでは空港で、スタッフが車椅子を押して案内してくれるサービスがあります。

私が知る限りだと、ゲートをくぐってしまうと同伴者がいず誰も車椅子を押す人がいなかった場合、スタッフが一緒に手荷物検査を通り、搭乗ゲートまで行き、飛行機に乗り込むまでサポートしてくれるはずです。

例えば乗り継ぎがあった場合は、乗り換え先の空港でスタッフが車椅子を用意し待っていてくれます。

乗り換える飛行機の搭乗口まで連れていってくれ、目的地に着いたら、車椅子を押して到着口の家族のもとまで案内してくれるはずです。

アメリカの空港ではよく見る光景で、多くの方が利用しています。

アメリカ生活-車椅子-空港待合専用椅子

ちなみにゲートの待合でも、車椅子専用の椅子があり、出入りしなくて良いように一番端に設けられています。

3.店内の車椅子用エレベーター

アメリカ生活-車椅子-店内エレベーター

アメリカはどんなお店も、体に不自由のある方でもアクセスができるようにしなければならない法律があると聞きました。

例えば洋服屋さんに行ったとき、「車椅子用エレベーター」というものを発見!

その店舗は構造上数段の階段がついているものの、大きなエレベーターをつける程ではない高さなので、車椅子専用のエレベーターがついていました。

扉を締めてボタンを押せば、床がグイーンと持ち上がるようなシステムです。

車椅子でも「アクセスできるように」というのは「中に入って見て回れるように」という意味ではありません。

スペースが狭い上、構造上階段をつけなければならないような場合「小型カメラとスクリーン」があることがあります!

店員さんは小型カメラで店内の商品を映し、お客さんはスクリーンを見ながらお買い物するといった感じです。

めったに登場する機会はないかもしれませんが、そういうシステムがあるという事実がないと、お店をオープンする際に何らかの法律に引っかかる可能性があります。

アメリカ生活-車椅子-試着室

ちなみに試着室も、車椅子のまま利用できる大きなものがあるお店も多くあります。写真のように中は広々していて、家族のメンバーと一緒に入ることもできます。

4.スーパーのスーパーカート

アメリカ生活-車椅子-スーパーの電動カート

スーパーにお買い物に行き、電動でない車椅子に乗っていたり杖をついていたら、かごを持ちながらの買い物は大変です。

歩行器を使っていたとしても、かごをつける場所がないですし、例えスーパーのカートを押しながら歩けたとしても、アメリカのスーパーは広いので、見て回るだけで大変なのです。

でも大丈夫です!アメリカのスーパーには「かご付きの電動カート」があります!前進もバックもできる優れものです。

それは電動車椅子にかごが付いたもので、どこのスーパーに行っても見かけます。

夫婦そろって電動カートに一台ずつ乗り、一緒にお買い物を楽しむ老夫婦の姿を見たこともあります。

アメリカ生活-車椅子-大人が座れるスーパーのカート

自分で運転するのが不安な場合、車椅子を押してくれる同伴者がいれば、大人が座れる椅子がついたカートのあるスーパーもあります。

アメリカ生活-車椅子-車椅子用スーパーのかご

車椅子から降りれなければ、自分の車椅子につけれるタイプのカゴもあります。

5.映画館

映画館で車椅子の利用がある場合、「車椅子専用のスペース」があります。もちろん車椅子から降りることなく、そのまま映画鑑賞ができます。

同伴者がいる場合は、そのスペース横にある座席に座り、一緒に映画を楽しむことができます。

映画館の扉をあけるとゆるやかなスロープになっている場合がほとんどなので、映画を観に行くにあたり、車椅子を乗り降りする必要はありません。

6.アクセス最短の駐車場

アメリカ生活-車椅子-専用駐車場

アメリカには「体に不自由がある方専用」の駐車スペースが、入り口から一番アクセスの良い場所に設けられています。

そこに駐めるには「パーキングパーミット」というものが必要で、どんな人がこの許可証を取得できるかという定義がはっきり決められています。

許可証はその駐車スペースに車を駐めたとき、バックミラーにぶら下げておく必要があります。

許可証は自分の住む州や自治体などで取得すれば、アメリカ50州どこの行っても使えます!

7.公共交通機関

海外の人がオーマイゴットと心配-不安な日本-アメリカ-バス-バリアフリー-ロサンゼルス

アメリカのバスは、車体がグイーンと下がるシステムになっていて、車椅子で利用する歳、入り口から自動で開いたスロープを使い指定の位置まで行くと、座席の位置まであげてくれます。

アメリカの通常のバスは広いので、寝転がって乗るタイプの大きなものでなければ2台乗ります。

同伴者がいなくても運転手さんがサポートしてくれるので、一人でバスを使い外出することもできます。

電車もスロープを出してくれるので乗り降りが可能ですし、車内にも車椅子用スペースがあることがほとんどです。

8.旅先でのバスルーム

アメリカ生活-車椅子-ホテルのバスルーム

アメリカのホテルには、ハンディキャップ専用のお部屋というものがあります。

大きく違うのはバスルームの作りで、まず通常より驚くほど広いです。

アメリカ生活-車椅子-シャワールームの椅子

シャワールームには折りたたみ式の椅子が備え付けられていて、同伴者が入るときにはたためるようになっています。

アメリカ生活-車椅子-専用トイレ

ちなみに公衆トイレも必ず車椅子用があります。レストランなどトイレを1つしか用意できない場合は、車椅子でも利用できるように広くなっていることが多いです。

老後も稼げる

海外の人ごめんねと謙虚に反応-日本のここが嫌い-サラリーマン-日本の通勤風景

州により状況は異なりますが、シニアの需要はものすごく高いです。年齢に関係なく、元気に働けるのであれば、採用のチャンスはあちこちにあるように思います。

実際若い人たちに混ざり、シニアの方がなんとマクドナルドで元気に働いていました。

車の修理に行ったときも、補聴器をつけたかなり年配の方が「え?え?」と何度も聞き返しながらも、受付で対応してくだりました。笑

アメリカのコストコでサンプルを配ってくれるのはほぼ高齢の方で、コストコのパソコン売り場ではかなり年配の方が「電子機器担当」として接客してくれました。

アメリカのアップルのお店では、20〜40代くらいの方が多く働いていますが、(こちらの勝手な予想ですが)60代くらいの方に接客してもらったこともあります。

日本ではシニアのイメージがあまりない職種であっても、州にもよりますがアメリカでは「働く力」として高齢者パワーは大歓迎されています。

アメリカでの老後生活

高齢者の方への配慮は、体の不自由な方への配慮にもつながるので、アメリカはそういう面で素晴らしいなと思います。

「55歳以上」というシニアと呼ばれるには少し早いような年齢の制限もありますが、早いうちから恩恵が受けられるのはいいですよね。

アメリカにも老後の問題はありますが、今回少しでも多く「いいね!」と思えるものを見つけてもらえていたら嬉しいです。

外国人には失礼に感じると言われて驚いた「日本人の行動」7選

海外では日本の当たり前が失礼になる?!そんなことがあるのかと思いますよね。私も驚きましたが、意外と沢山あります。笑

しかも日本で日本人同士では「よくあることだよね」と当たり前になっているものばかりで、「アメリカではこれが失礼になるの?!」とショックを受けたものもあります。

視点が変わるとこんなに見方が変わるものか。一体どんなことに外国人(アメリカ人)は失礼と感じるのか。

「それ、日本でも失礼かも…これからは気をつけよう」なんて発見もあるかも!7選いってみましょう!

日本では当たり前でも「アメリカで失礼になること」

1.体型に関するコメント

久しぶりに会った友人に「なんか雰囲気変わったね、痩せた?」

または「元気そうだね、ちょっとふっくらした?」など、何気なく体型を連想させるようなコメント、日本人の間ではよく聞きますよね!

ある日アメリカ人の友人と行った旅の写真を、日本人に送ったとき。

一緒に行ったアメリカ人に、「みんなと写真シェアした?何て言ってた?」と聞かれ、「なんかふっくらしたねって言われた」と笑って答えると、「え、全くそんなことないよ」と真剣に慰められたあと、「旅と全然関係ないよね…」と言われました。笑

「痩せた?太った?」などのコメントをもらうことが当たり前になりすぎて気にもしませんでしたが、そう言われてから意識を向けてみると、そういう日本人は私の周りは多いなと気が付きました。

例えばクリスマスの挨拶に一緒に送った写真に対するリアクションが、「わぁ、アメリカにいるのに太らないね」だったり、夏にハイキングに行ったとき美しい滝に私が写り込んだ写真を見て「脚が引き締まってるね」だったり。笑

「え、コメント所そこなの?!」と笑ってしまうことがあります。

コメントがそれだけではないことも多いですが、そういうコメントが混ざってくることは本当に多いです。

アメリカ人は久しぶりに会っても見た目に対して、特に痩せた太った系のコメントしてくる人は、少なくとも私の周りにはほぼいないです。

見た目であれば「You look amazing!(すっごく元気そう!)」「You still look the same.(変わらないね)」などが多いです。

ずっとダイエットを頑張っている人に対して「スリムになったね!」とか、元気のない友人を心配して「最近元気ないね、ちょっと痩せた?ちゃんと食べてる?」などと言うことはあるかもしれませんが、私の知る日本人の感覚で「痩せた?」とコメントするアメリカ人に今のところ会ったことがありません。

アメリカで日本の感覚でそういうコメントをすると、日本人同士では分かる「何気なく言った」という感覚で捉えられず、失礼だなと感じる人もいると教えてもらいました。

2.強めのボディタッチ

日本人でも人によると思いますが、あいさつや話の流れで肩や背中辺りをたたく人いませんか?笑

ボディタッチの一種なのか、叩く意味はないのに叩く。「まぁそう落ち込むな」「頑張ってるな」などのポンと肩を叩く感じではなく、それより強めに叩く。

ある日私がお笑いの動画を見ていたとき、別のアメリカ人が「なんでこの人はこの人にこんな意地悪するの?」と映像を見て言われました。

それは芸人さんが誰かの頭をポカっと叩いている場面で、「アメリカ人には人が人の頭を強く叩いた」という訳のわからない光景だったそうです。

「可愛そう…」とも言っていました。

日本のお笑い文化の中で、誰かが誰かの頭を叩いて笑うというのは、日本独特のものなのだと初めて知りました。

全てのアメリカ人がそうだとは言えませんが、「触れる」以上の強さだと「叩く」に感じる人が日本より多いように感じます。

3.何も言わずに商品を取る

例えば日本の狭い店内で、人が立っている目の前に自分の欲しい商品が陳列されていたとき。

「すみません」と伝えスペースを作ってもらわなくても、十分なスペースがある場合でも「すみません」と一言言ってから商品を取りますか?

それとも何も言わずにパパッと商品を取りますか?

私の失敗談ですがアメリカに来たばかりの頃、人の前から商品を取ったあと、聞こえる程大きな舌打ちをされたことがあります。

一緒にいた友人も見ていて、「Excuse meって言わなきゃ失礼だよ」と教えてくれました。

友人はその後「ユリは生まれも育ちも東京だから、狭いスペースであんな行動をとることは日常だったのかもね!」と笑いながら言いました。

私のように生まれも育ちも東京でも、ちゃんとした作法をされる方のほうが多いと思いますが、どこにいってもスペースがタイトな東京では、される事もする事も多く、される側として気になったこともなく、する側として相手の気持ちを考えたこともなかったなぁと思いました。

その時も商品とお客さんの間に十分なスペースがあったので、いままでと同じ感覚で無言のままササッと取りました。

アメリカ人に「あなたならどうした?」と聞くと、「そのお客さんが去るまでさり気なく待つか、時間がかかりそうならExcuse meと言ってとる」と言われました。

その後意識を向けてみると、アメリカ人は例えアメリカの広いスーパーの通路で、大きなアメリカサイズのカートが通るくらい十分なスペースがあったとしても、誰かの目の前にある商品をなかなか取ろうとはしません。

たまたま私が商品を見ていたとき、目の前に十分なスペースがあるにも関わらず、横で取るのをためらっている人に気が付きました。

「気がつかなくてすみません、どうぞ」と伝えると、申し訳なさそうに「いいの?ありがとう、一瞬で済むから」とササッと取って去っていきました。

もちろん日本にもちゃんと「すみません」が毎回言える人がいるように、アメリカにも何も言わない人もいます。

しかし私の知る限り、友人に教えてもらったような行動をとる人が多いです。

4.店員さんに何も言わず去る

日本で、アメリカ人とかなりこじんまりした雑貨屋さんに入ったとき。

店内には数名の日本人のお客さんがいて、店員さんは「いらっしゃいませ」と私達に挨拶してくれ、レジで作業を続けていました。

先に店内にいた日本人のお客さんは、何も買わずサーッと無言でお店をさり、いざ私達が去るとき。

アメリカ人が作業をする店員さんに「Thank you!」と気持ちよく挨拶をしました。店員さんも思わず「ありがとうございました!」と言ってくれました。

アメリカ人にとっては、店内を見せてくれてありがとうというような意味だったようです。

確かにアメリカではウェルカムの挨拶のあと接客はされなくても、「質問があればいつでもお声がけくださいね〜」と言ってくれた店員さんに一言挨拶をしてお店を去る人も多いです。

接客してもらえば必ずといって良いほど、日本でもそうだと思いますが「Thank you for your time.(お時間を割いていただきありがとうございました。)」と伝えます。

「接客してもらわなくても、アメリカでは一言言わないと失礼?」と聞くと、私が一緒にいたアメリカ人は「失礼にはならないかもしれないけど、礼儀として言いたいところだよね」と言っていました。

今まで店内を物色させてもらった後「ありがとう」って何回言ったかな…

接客してくれた店員さんにしか言ってなかったかもな…これからは「ありがとう」を伝えようと思いました。

5.ドアを開けておかない

アメリカ人は想像以上に親切な方法で、ドアを開けておいてくれます。レディースファーストという考えではなく、男性が男性に、女性が女性にすることも普通です。

例えば手前に引くタイプのドアであった場合、すぐ後ろの人のため、ドアが閉まらないように手を添えてくれる。

すぐ後ろに人がいなくても、3〜5mくらい後ろからドアに向かって歩いてくる人のため、ドアを開けて待っていてくれる。

ほぼ同時にドアに手をかけようとしようものなら、ドアをあけて「お先にどうぞ」と言ってくれる。

アメリカでは、私は今でも感動でびっくりしますが、小さな子供でもやってくれるくらい当たり前のことです。

ドアを通ったあとすでに歩き始めていても、たくさん荷物を持った人などがドアに向かっている所を見れば、ドアに戻りその人のために開けてくれます。

私はアメリカでのドアマナーがすっかり身に付いたので、無意識に日本でも同じようにします。

ある時の日本滞在では、特にすぐ後ろにいる人のためドアを支える機会が多くあり、それを何度も見ていたアメリカ人が私に言いました。

「ありがとうって言う人ほとんどいないね」

もちろんこれは日本人と限定できることではありませんが、そのときの滞在では本当に少なかったです…

「慣れない親切をされて、ついお礼を言いそびれることあるよね」と伝えました。

6.写真を撮っている人の前をしゃがんで通る

昔は私もやってしまったことがありますが、写真に入らないように体勢を低くしてカメラの前を通ったことありませんか?笑

ある日同じような状況で私が写真を撮っていたとき、写真を取り終えてから、撮り終えるまで待っていてくれたアメリカ人に気が付きました。

申し訳ないという気持ちとお礼を伝えると「No problem!(全然大丈夫だよ!)」とスッキリ言って去っていきました。

その後また同じような状況で写真をとっていたとき、私の友達に「あ、人が来るよ」と言われ、写真を撮るのをやめ「どうぞ」と前を通ってもらうよう伝えました。

「大丈夫ですよ、写真撮っちゃって下さい」と言われ、「大丈夫です、お先にどうぞ」と伝えると「いいの?ありがとね〜」という感じで去っていきました。

一緒にいたアメリカ人に「前を通ってくれても全然問題ないんだけどね」と言うと、「アメリカでは待つのが普通だよ」と言われました。

アメリカ人でも、例えば家電屋さんで壁にかけられたテレビの画面を見ている人の前を、「Excuse me…」と言いながら申し訳なさそうに低姿勢で通っていく人はいます。

映画館でも、どうしても前を通らなければお手洗いに行けないときなどは、腰を低くして「Excuse me…」と言いながら前を通っていきます。

写真を撮っていることに気がつかず、普通に前を通っていく人もいますが、「あっ、失礼…」と気づいた際には必ず言われる気がします。

7.店員さんを大声で呼ぶ

例えばレストランで注文の際、呼び出しボタンがなく、店員さんが見えるけど近くにいないとき。

「すみませーん!」と、遠くにいる店員さんに聞こえるような声で呼ぶことありますよね。

日本では高級なレストランでもないかぎり、よく見る当たり前の光景だと思います。

でももしこれをアメリカのレストランでやったら、たぶん「Excuse me!」の声を聞いた店内のお客さん全員が、ビックリした表情であなたの方を見ると思います。笑

それはなぜかというと、アメリカでは当たり前ではなく、極めて珍しいことだからです。

実際に日本のレストランでお客さんが店員さんを大声で呼んだとき、一緒にいたアメリカ人は驚いてそのお客さんの方を見ていました。笑

日本のこういうレストランでは当たり前だよ〜と言うと、「アメリカではやっちゃだめだよ」と笑いながら教えてくれました。

アメリカではレストランのようなお食事処では、テーブルに担当がつくことがほとんどです。

注文からお会計まで、お客さんが席に座ってから立つまでの全てのサポートを一人の店員さんがしてくれることが当たり前です。

それゆえ例えば食事中に取り分け皿が必要になり、近くに他の店員さんがいたとしても、担当の人が来るまで待ちます。少なくとも私の知るアメリカ人はそうします。

アメリカはチップ制度なので、担当の人以外に何かを頼むことはあまりしません。

呼び出しボタンもないことがほとんどなので、担当のウエイターが側を通ったときにさり気なく手をあげ「Excuse me」と言うパターンを良く見かけます。

気の利くウエイターや、そこまでお店が忙しくないときは、頻繁にテーブルにお水をつぎにきたり、何か必要なものはないかなど聞きにきてくれます。

それゆえ、わざわざウエイターを呼ばなくてもあちらから来てくれることが多いです。

逆に日本では店員さんを呼ばないと、居酒屋などではなかなか追加注文が難しい場合もありますよね。

また他の店員さんの手が空いているにも関わらず、注文を取ってくれたウエイターばかりに頼み事をしても、不思議に思われるかと思います。

違う文化や作法を知っていくというのは、視野が広がり本当に面白いです。

より親切な作法

アメリカに住んでいるので「郷に入っては郷に従う」精神というのはあります。

しかし今まで知らなかった多くのアメリカ流作法が、アメリカで当たり前だから取り入れたというよりも、どの作法が周りに対して親切かと考え取り入れることもあります。

今回紹介したような「店員さんに何も言わず店を出る」など、「失礼とまでは感じない人もいるけれど、礼儀としてやった方がいい」程度のものであれば、どの作法が店員さんに対して親切かなと考えます。

一言なく去るのが当たり前で誰も傷つけなかったとしても、一言言うことで店員さんが嬉しい気持ちになるのであれば、自分もハッピーな気持ちになれるような行動をとろうと思います。

「当たり前だからそれで良い」ではなく、こういう意見や見方もあるよと教えてもらい、「こうするともっと良い」と視野を広げていく経験はやっぱり宝物だなと思いました。