老後生活は崩壊していない!日本とこんなに違うアメリカ高齢者の生活

「老後の生活」と言うと、年金制度の崩壊や老後破産など不安になるような話が多いですね。

お金の話は大切ですが、老後の過ごし方を考えたとき、それが楽しみになるような話題はないのか…

そこで「暗い話題ばかりを聞いて不安になるのはやめよう」をテーマに、今回は日本とアメリカを比べ、老後生活に関する明るい話題だけを集めました。

海外移住者の私が知るアメリカ高齢者のリアルな生活、見ていきましょう!

ちなみにシニア(高齢者)って何歳から?

海外の人がすごいと称賛-流石日本-日本-お年寄り-高齢者-japan-eiders-oldpeople

アメリカでは「シニアは何歳から」という定義が、その言葉が使われる時と場合により変わります。

特定のサービスなどを受けれる年齢を、それを提供する会社や団体が個々に決めるからです。

ちなみに連邦政府が管理している、メディケア制度と呼ばれるアメリカの高齢者と障害者の保険制度は「65歳以上」としています。

老後生活の違い日本とアメリカ

シニアメニュー

アメリカ生活-車椅子-シニアメニュー
アメリカではほとんどのレストランにキッズメニューというものがあります。

小学生くらいまでの子供用に用意されたメニューがそろい、少ない量で格安に提供してくれます。

そして州によっては、キッズメニューのシニア版「シニアメニュー」というものがあります!

そのレストランが決めたシニアの年齢であれば、通常メニューの量よりも少なく、格安な値段のものをオーダーすることができます。

写真のレストランは「55歳以上」となっています。

アメリカは基本的に、日本よりもレストランで出される量が多いので、通常メニューから頼むと、わりと沢山食べる私でも持ち帰ることがあります。

それゆえシニアメニューのあるレストランに行くと、「このシニアメニュー私も頼みたい」といつも思います。笑

おつかいピックアップ&デリバリー

アメリカにはなんと、オンラインで欲しいものをオーダーして、自宅まで届けてくれるというサービスがあります。

オンラインといっても、携帯一本で簡単に操作できるようなものです。

少し前までは、サービス代行の業者がスーパーで買い物を済ませお家に届けるというものがありましたが、最近はそのサービスをスーパーがやってくれます。

アメリカの大手スーパー「ウォルマート」を例にしますが、このスーパーがチャージする費用は現時点で、1デリバリーに対し約800〜1000円、または約1300円のマンスリー、または約1万円の年会費というオプションがあるそうです。

もしそれが高いなと感じるのであれば、オーダーした商品をスーパーでピックアップできるサービスがあります。

アメリカ生活-車椅子-スーパーマーケット-ピックアップサービス

ウォルマートの入り口付近に冷凍や冷蔵も保管できる大きなオレンジ色の機械があり、お客さんは機械にオーダーナンバーのような物を入力するだけ。

アメリカ生活-車椅子-スーパーマーケット-ピックアップロッカーサービス

オーダーした商品を機械または横のロッカールームのようなところから受け取れます。

この場合スーパーに行くお店を歩き回る必要がなくなりますし、日本円で約3000円以上のお買い物をすれば、無料でこのサービスを利用できます。

老人ホームではないシニアホーム

アメリカには「Senior Living(シニアリビング)」という、高齢者の方が暮らす場所の総称があります。

シニアリビングには色々なコミュニティーがあり、ケアやサービスが選ぶコミュニティーにより変わってきます。

日本でよく聞く「老人ホーム」は、ジニアリビングの中で「Nursing Home(ナーシングホーム)」と呼ばれるものが一番近いと思います。

サービスの内容は異なると思いますが、日本と同じようにナースによる介護が24時間受けれるような場所です。

そして色々あるシニアリビングの中には、「Active Adult(アクティブアダルト)」と呼ばれる、自立した生活が送れる高齢者の方が住む場所があります。

ここのサービスがすごいです!

私が実際に生活を見せてもらった場所は、18歳以下の子供との同居ができないなどのルールはありますが、55歳以上であれば誰でも住めます。動物も大丈夫です。

そして何より驚くのが、これだけのサービス込でも、州により違いがあると思いますが、家賃がシニアホームではない普通の賃貸よりも安いということ!

アメリカでは高齢者が優遇を受けられる州は多いです。

高い天井、広いキッチン、キッチンから見える広いリビング、広々とした寝室、室内にある大型洗濯機と乾燥機。

3階建てのビルで、エレベーターがあり、お家の中もバリアフリーで段差があるのはシャワールームにあるバスタブくらいです。

ビルに一歩入れば完全室内で、ポストも室内。お部屋の窓はすべて二重構造になっていて、熱気も寒気も一切入ってこず、ホテルのような作りです。

温水プール、映画が見れる大きなテレビやジム、卓球台、キッチンなどがあるレクリエーションルームもあります。家族と集まり誕生日パーティーなどをしたいときは、貸し切ることもできます。

レクリエーションルームでは「映画ナイト」「ビンゴ・ゲームナイト」「椅子ヨガ」など、住民を楽しませる色々なフリーアクティビティが行われ、毎月スケジュール表が部屋に届きます。

中でもそれすごい!と思ったのは、ゴミ出しサービス。ゴミを袋にまとめて、それをゴミ箱に入れて玄関の前に置いておくと回収してくれ、空のゴミ箱だけを残してくれます。

近所のスーパーへ連れて行ってくれる、車での送迎サービスもあります。

便利すぎる車椅子生活

アメリカ生活-車椅子-スーパーの電動カート

アメリカでは車椅子がどこでも気軽に利用できます。

また電子車椅子という、電子自転車を運転するような感覚で簡単に操作できるものもあります。

アメリカはスーパー、郵便局、レストランなど、どこに行っても通路が広く、車椅子がアクセスできる作りになっています。

でも車椅子だと、引くタイプのドアだと開けられない…そう思いますよね!

法律があるからかもしれませんが、自動ドアでなかった場合、ドアに近い見やすい場所に大きなボタンがあり、それを押すとドアが自動で開くようになっています。(動画に映像があります)

アメリカでは車椅子の利用者が多いので、利用する方に不便がないようにと考えられたシステムやサービスが街中に溢れています。

驚くこと間違いなしな8つ集めました!

1.低いボタン

アメリカ生活-車椅子-キヨスクタッチパネル

私が思いつく限りのアメリカにある機械は、すべて車椅子でもアクセスがしやすいように工夫されています。

ここまで!と驚いたのは、アメリカではかなり当たり前になってきたファーストフード店でキオスクでのオーダー。

縦長の機械で上の方のボタンを車椅子からでも押しやすいように、車椅子専用の画面というのがボタンひとつで使えます。車椅子用のボタンを押すと、全ての表示が画面の下のみに現れます。

ちなみに細かい字が見えづらい方用のボタンもあり、画面上の虫眼鏡を使えます。

アメリカ生活-車椅子-ドリンクディズペンサー

例えばアメリカのファーストフードでは、ほとんどの場合飲み物がセルフなのですが、その機械にも車椅子用ボタンがあります。座った状態ではタッチパネルが届かないからです。

車椅子ボタンを押して、矢印を使ってお好みのドリンクを選び、誰の助けもなく自分でドリンクをゲットできます。

2.空港でのケア

アメリカでは空港で、スタッフが車椅子を押して案内してくれるサービスがあります。

私が知る限りだと、ゲートをくぐってしまうと同伴者がいず誰も車椅子を押す人がいなかった場合、スタッフが一緒に手荷物検査を通り、搭乗ゲートまで行き、飛行機に乗り込むまでサポートしてくれるはずです。

例えば乗り継ぎがあった場合は、乗り換え先の空港でスタッフが車椅子を用意し待っていてくれます。

乗り換える飛行機の搭乗口まで連れていってくれ、目的地に着いたら、車椅子を押して到着口の家族のもとまで案内してくれるはずです。

アメリカの空港ではよく見る光景で、多くの方が利用しています。

アメリカ生活-車椅子-空港待合専用椅子

ちなみにゲートの待合でも、車椅子専用の椅子があり、出入りしなくて良いように一番端に設けられています。

3.店内の車椅子用エレベーター

アメリカ生活-車椅子-店内エレベーター

アメリカはどんなお店も、体に不自由のある方でもアクセスができるようにしなければならない法律があると聞きました。

例えば洋服屋さんに行ったとき、「車椅子用エレベーター」というものを発見!

その店舗は構造上数段の階段がついているものの、大きなエレベーターをつける程ではない高さなので、車椅子専用のエレベーターがついていました。

扉を締めてボタンを押せば、床がグイーンと持ち上がるようなシステムです。

車椅子でも「アクセスできるように」というのは「中に入って見て回れるように」という意味ではありません。

スペースが狭い上、構造上階段をつけなければならないような場合「小型カメラとスクリーン」があることがあります!

店員さんは小型カメラで店内の商品を映し、お客さんはスクリーンを見ながらお買い物するといった感じです。

めったに登場する機会はないかもしれませんが、そういうシステムがあるという事実がないと、お店をオープンする際に何らかの法律に引っかかる可能性があります。

アメリカ生活-車椅子-試着室

ちなみに試着室も、車椅子のまま利用できる大きなものがあるお店も多くあります。写真のように中は広々していて、家族のメンバーと一緒に入ることもできます。

4.スーパーのスーパーカート

アメリカ生活-車椅子-スーパーの電動カート

スーパーにお買い物に行き、電動でない車椅子に乗っていたり杖をついていたら、かごを持ちながらの買い物は大変です。

歩行器を使っていたとしても、かごをつける場所がないですし、例えスーパーのカートを押しながら歩けたとしても、アメリカのスーパーは広いので、見て回るだけで大変なのです。

でも大丈夫です!アメリカのスーパーには「かご付きの電動カート」があります!前進もバックもできる優れものです。

それは電動車椅子にかごが付いたもので、どこのスーパーに行っても見かけます。

夫婦そろって電動カートに一台ずつ乗り、一緒にお買い物を楽しむ老夫婦の姿を見たこともあります。

アメリカ生活-車椅子-大人が座れるスーパーのカート

自分で運転するのが不安な場合、車椅子を押してくれる同伴者がいれば、大人が座れる椅子がついたカートのあるスーパーもあります。

アメリカ生活-車椅子-車椅子用スーパーのかご

車椅子から降りれなければ、自分の車椅子につけれるタイプのカゴもあります。

5.映画館

映画館で車椅子の利用がある場合、「車椅子専用のスペース」があります。もちろん車椅子から降りることなく、そのまま映画鑑賞ができます。

同伴者がいる場合は、そのスペース横にある座席に座り、一緒に映画を楽しむことができます。

映画館の扉をあけるとゆるやかなスロープになっている場合がほとんどなので、映画を観に行くにあたり、車椅子を乗り降りする必要はありません。

6.アクセス最短の駐車場

アメリカ生活-車椅子-専用駐車場

アメリカには「体に不自由がある方専用」の駐車スペースが、入り口から一番アクセスの良い場所に設けられています。

そこに駐めるには「パーキングパーミット」というものが必要で、どんな人がこの許可証を取得できるかという定義がはっきり決められています。

許可証はその駐車スペースに車を駐めたとき、バックミラーにぶら下げておく必要があります。

許可証は自分の住む州や自治体などで取得すれば、アメリカ50州どこの行っても使えます!

7.公共交通機関

海外の人がオーマイゴットと心配-不安な日本-アメリカ-バス-バリアフリー-ロサンゼルス

アメリカのバスは、車体がグイーンと下がるシステムになっていて、車椅子で利用する歳、入り口から自動で開いたスロープを使い指定の位置まで行くと、座席の位置まであげてくれます。

アメリカの通常のバスは広いので、寝転がって乗るタイプの大きなものでなければ2台乗ります。

同伴者がいなくても運転手さんがサポートしてくれるので、一人でバスを使い外出することもできます。

電車もスロープを出してくれるので乗り降りが可能ですし、車内にも車椅子用スペースがあることがほとんどです。

8.旅先でのバスルーム

アメリカ生活-車椅子-ホテルのバスルーム

アメリカのホテルには、ハンディキャップ専用のお部屋というものがあります。

大きく違うのはバスルームの作りで、まず通常より驚くほど広いです。

アメリカ生活-車椅子-シャワールームの椅子

シャワールームには折りたたみ式の椅子が備え付けられていて、同伴者が入るときにはたためるようになっています。

アメリカ生活-車椅子-専用トイレ

ちなみに公衆トイレも必ず車椅子用があります。レストランなどトイレを1つしか用意できない場合は、車椅子でも利用できるように広くなっていることが多いです。

老後も稼げる

海外の人ごめんねと謙虚に反応-日本のここが嫌い-サラリーマン-日本の通勤風景

州により状況は異なりますが、シニアの需要はものすごく高いです。年齢に関係なく、元気に働けるのであれば、採用のチャンスはあちこちにあるように思います。

実際若い人たちに混ざり、シニアの方がなんとマクドナルドで元気に働いていました。

車の修理に行ったときも、補聴器をつけたかなり年配の方が「え?え?」と何度も聞き返しながらも、受付で対応してくだりました。笑

アメリカのコストコでサンプルを配ってくれるのはほぼ高齢の方で、コストコのパソコン売り場ではかなり年配の方が「電子機器担当」として接客してくれました。

アメリカのアップルのお店では、20〜40代くらいの方が多く働いていますが、(こちらの勝手な予想ですが)60代くらいの方に接客してもらったこともあります。

日本ではシニアのイメージがあまりない職種であっても、州にもよりますがアメリカでは「働く力」として高齢者パワーは大歓迎されています。

アメリカでの老後生活

高齢者の方への配慮は、体の不自由な方への配慮にもつながるので、アメリカはそういう面で素晴らしいなと思います。

「55歳以上」というシニアと呼ばれるには少し早いような年齢の制限もありますが、早いうちから恩恵が受けられるのはいいですよね。

アメリカにも老後の問題はありますが、今回少しでも多く「いいね!」と思えるものを見つけてもらえていたら嬉しいです。

モテないのに国際結婚できた理由はたぶんこれしかない

前回「国際結婚して日本を離れたくない」というお話をしたのですが…

なんだかまるでモテモテの人生を送ってきて、求婚されて、「困った、まだ結婚したくないのに」と誤解をされそうな、ややこしいタイトルをつけてしまいました。

実際は「モテない私に突然縁が訪れた、なんてこった!」というのが真実であり、それをしっかりとお伝えできていませんでした。

え、どういう事?と思って下さった方、ぜひ引き続きストーリーをお楽しみ下さい。

モテない私が結婚するまで

最初に言ってしまいますが、モテない私が結婚できた理由は「理想がなかったから」ではないかと思います。

私の場合国際結婚でしたが、結婚でも同じことが言えたと思います。

「モテない」ことを自覚し、それに納得し生き方を変え、最後には結婚するストーリーです。

最初は話が「随分回りくどいな」と思うかもしれませんが、最後には「そう繋がるのね」とスッキリすると思うの、良かったら最後まで聞いていって下さい。

理想を持たないはじまり

私が小学6年生だったとき。

話で盛り上がる女の子たちの一人が私に言いました。

「男子の間でYuriいいよねって声聞くよ」

「性格いいよねって」

私も男子の間で話題に上がることがあるんだ〜なんて思っていると、さらにその子が言いました。

「でもみんな言うんだって、『でも顔がなぁ』って」

まずそれを聞いて、「私って男子たちにそういう感じで見られているんだ」と思いました。

その頃は自分の顔が可愛い、可愛くないなんていう見方をしたことがなく、可愛い子は可愛い、モテるという意識だけあり、自分はどうかなんて考えたことはありませんでした。

そしてもうひとつは、「すごく嬉しかった」

「ショックだった」って言うと思われた方も多いかもしれませんが、小学生のときは顔にコンプレックスもなく、「でも顔がなぁ」に「何それ、あはは」と笑えるような感じでした。

「私の性格って、そんな風に思われてるんだ!」

それがその時の素直なリアクションで、顔がどうこうよりも「性格が良い」と褒められたことが単純に嬉しかったです。

中学校で理解した自分の立ち位置

中学に上がると、今まで気にもしたことがなかった私の顔の特徴を、まるで「良くないもの」としていじってくる男子生徒がいました。

「私の顔ってそんな風に見えるんだ」

「そう言われると、そうも見えてくる…」

小学校のころは顔の何が良くないのか分かりませんでしたが、「ここが変」とハッキリ言われたことはすごくショックではありました。

それに片想いをしていた男の子の前で言われたりすると恥ずかしく、彼が私をどう見ているか、この男子生徒と同じように見ていたらどうしようと不安でした。

しかし小学生のときに性格を褒めてもらってから、「中身は大丈夫」というお守りがあったので、すごく落ち込んでしまうということはありませんでした。

もしその片想い中の男子が「おまえは可愛くないから嫌だ」と中身さえ知ろうとせず言うのであれば、その時はものすごく落ち込むだろうけど、「そういう人だった」と諦めがつく。

中学生ながらそんな考えを持っており、そういう人であればこのまま好きでいても仕方ないと思っていました。

今思えば、それが顔で拒否され傷つかないための、自分を守る術でもあったようにも思います。

高校で納得した自分への評価

高校に上がっても、クラスの男の子に顔のことでいじられる事がありました。

クラスでネタにされると恥ずかしかったですし、それを聞いて笑っているクラスメイトにがっかりした事もありました。

しかし「この人は女の子にそんなことを言う人なんだ」

今までは「魅力的」な人に心を奪われる感覚はありましたが、この頃から「魅力を感じない」人を区別する感覚も持ったような気がします。

それと同時に「男の子に告白された事もない」「顔のことで笑われる」=「自分はモテない」という考えもかなり定着していきていました。

特に高校では、顔の可愛い女子生徒の話題が男子生徒の間で上がることが多く、「可愛い子と仲良くなりたい」と言っていた男子生徒も多かったです。

女子生徒の間でも「何組のA君がかっこいい」と話すことはよくあったので、誰がかわいいかっこいいという話題は学生あるあるではないかなと思います。

とは言うものの、モテるから良い、モテないから悪いなんて考えはなく、ただ単純に「自分はモテない」「自分は話題に上がるような可愛い子ではない」という認識だけを持っていました。

しかしそういう環境でしかも顔のことでイジられていたので、この頃に「可愛くないことは良くない」という変な考えを植え付けられてしまったという思いもあります。

「可愛い」の基準は周りにいる男子生徒が決めた視野の狭いものではありましたが、まだ私は若かったので、顔に対するコンプレックスを少しづつ持ち始めた時期でもありました。

そしてこんなことを考えるようになりました。

「女性の容姿に惹かれ好意を持つ傾向のある男性は、まず私のところへはたどり着かないだろう」

「もし私に異性として好意を持ってくれる人がいたら、その人は容姿で女の子を選ぶような人ではないということ」

「要するに私を知ろうとしてくれる人は、人として私が好きな魅力を持っている人なんだ」

モテない高校生の私にとっては、これからの人生を生きやすくしてくれる嬉しい大きな発見でした。

理想も普通も忘れよう

モテない自分を知っていたので「告白は男性から」なんて理想も持ったことがありません。

「好きな人がいたら、待っていても何も始まらない。自分から動かなければ!」

そこで「やらない後悔よりもやって後悔」というスローガンを持って、長く片想いしてきた彼に告白することにしました。

告白といったら、想いを伝えて、イエス、ノーの答えをもらう。

それは理想でも何でもなく、当たり前の流れだと思っていましたが、私のは少し違いました。

告白のとき。

「振られて気まずくなって会えなくなるなら、友達のままいた方がいいのかもしれない」なんて想いが頭をよぎり、怖くて言えなくなってしまいました。

モジモジしていると、彼が手紙を差し出してくれました。

「付き合って下さい」

そう書いてあるのを見て、まさかと思いビックリしましたが、ジワジワ嬉しさが込み上げて、テンションが上がって「実は私も…」と自分の気持ちを話し始めていました。

自分の気持ちを伝え終えパッと彼の顔を見ると、神妙な面持ちで彼が言いました。

「その手紙、俺が書いたものじゃないんだ」

どうやら共通の男友達が書いたその手紙を、何が書いてあるのかも知らず渡され、「Yuriに渡しな」と言われたそうです。

しかもその手紙の内容は、彼の気持ちとは全く関係ないものだそう。

血の気がさっと引きました。笑

普通に気持ちを言いたかっただけなのに、まるで「私たち両想いだったんだ嬉しい」みないな感覚で話してしまった。笑

告白というシンプルな行為さえ、私の場合こんな風になっちゃうのか。

私の人生では「理想」どころか、「普通」なんて概念さえ忘れた方がいいのかもしれない、と笑けてきました。笑

自分らしい人生

そんな私を見て、彼が話し始めました。

彼は手を使って棒グラフを表現しながら…

「Yuriの俺への気持ちはもしかしたら(かなり高い位置に手を持っていって)このくらいかもしれない。俺の気持ちはもしかしたら(私の気持ちよりかなり低い位置に手を持っていって)このくらいで、そこには大きな差があるかもしれない」

さらに彼はつづけ…

「そんなんで申し訳ない気持ちだけど、それでも良かったら付き合おう」

そう言ってくれました。

嬉しさよりも先に、「えっ?!振られてない、私振られなかった」とものすごくビックリしてしまいました。

それは「今まで自分が信じてきた事は正しかった」

「私の恋愛人生で、こんな素晴らしい事が起こることもある」

ということを証明してくれました。

そして、「何だかグデグデだったし、上手く表現できないけど、自分の人生が好きだ!」と心から思いました。

理想よりも自分らしさを大切に人生を生きていこうと思いました。

容姿が嫌すぎて泣いた日

ある時、彼の大学の女友達が彼に好意を抱くということがありました。

詳しくは聞きませんでしたが、彼女は私の存在を知りつつも、彼へのアプローチを続けていたみたいです。

噂通りの美人で、実際に会った日は「どうして彼は私と一緒にてくれるのだろう」と、思わず彼の前で泣いてしまったほどです。笑

いつからか周りからの刺激を受けて、大きくなってしまった容姿へのコンプレックス。

私を彼女としてくれている時点で彼は容姿を気にする人ではないと頭では分かっていたものの、容姿に対する「どうにもこうにも処理できない自信のなさ」というのは、彼と付き合っている間も持ち続けていました。

「彼がその美人の子を好きになって、付き合いたいのなら仕方ない」そう腹をくくっていたくらいです。笑

私たちは親友のようでもあったので、彼は私に大学での話をわりと何でもしてくれました。たまに「これ私が聞く必要あるかな?」と思うことも…笑

ある日大学の男友達に言われたそうです。

「おまえ何でYuriと付き合ってんの?なんで◯◯ちゃんと付き合わないの?◯◯ちゃん、すげー可愛いじゃん」

美人から想いを寄せられても、まだ私と一緒にいる彼に、彼の友達は納得が行かなかったみたいです。笑

「おっしゃる通りだ」と思う反面、自分の容姿が心から嫌になりました。そしてそんなことを言う人が彼の友達であることには、かなりショックを受けました。

しかしそんな事で壊れることなく、彼と私の恋人としての関係は6年以上も続きました。

もらった自信と希望

彼は私に大切なことを教えてくれました。

「この世には私のような人をあんな風に大切にしてくれる人もいる」ということ。

「ありのままを受け入れてもらえた」という感覚は「自分らしくいても良い」という自信につながりました。

そして自分らしくいれば「また素敵な人にきっと出会える」という希望を持ちました。

結婚につながる縁

そんな希望を持ち続けた私に訪れたのが、今の旦那さんとの縁です。

美人でない、モテない私にも結婚に繋がる縁が訪れました。

しかしこの縁は、理想を持っていなかった私でも「最悪」と心の底で思ってしまうようなものでした。笑

旦那さんは内外共に魅力的な人で私にはもったいないくらいですが、出会ってすぐに内面を見抜けるような力は私にはなく、外見だけで一目惚れするようなタイプでもない私は、ギョッとする出会い方につい自分の中に眠っていた拒否反応が起こりそうな感じだったので、ギリギリのところで繋がったという縁でした。笑

理想を持たず自分らしく

この縁が結婚へと繋がるものだとは、私も旦那さんも全く思っていなかったどころか、二人ともまだ結婚に興味さえありませんでした。

しかし出会いから恋愛、そしてさらに山あり谷ありの道を通って結婚しました。

今までの経験から「理想よりも自分らしさを大切にするように」という教えを導いて頂きました。

その大切な教えは、ここにたどり着くための道標だったと心から思いました。

もし私がこれまでの道を通ってきておらず、私を救ってくれた沢山の教えがなかったら…

この拒絶反応が起こりそうだった出会いの縁を、自ら見捨ててしまっていたかもしれません。

そしてそれに気づくこともなく「縁がない」と嘆き、縁とは関係ない自分の顔へのコンプレックスを更に大きくし「可愛くないから、モテないから結婚できないんだ」と勘違いしていたかもしれません。

そう考えると「自分自身や置かれた状況を客観的に見ず理想を持つこと」で、もう手の届くところまで近づいている縁を、見逃してしまうなんてこともあるのかもしれないと思うのです。

「縁がない」のではなく「縁を見逃しているのかもしれない」。それはもしかしたら自分自身の中にある理想が邪魔して、見えづらくしているのかもしれない。

ちゃんとまとまっているか心配ですが、そんな事を経験から学びました。

まとめ

一言では表せなかったのでこんなに長い話になってしまいましたが…

私のような人が結婚できたのは「理想がなかったから」というだけではなく、私が通ってきた道があったからこそ、出会いや結婚の縁に対して「腑に落ちる」または「納得がいく」感覚があり、迷いがなかったからと思っています。

すべて私目線で話してきてしまい申し訳ありませんが、もちろん私のような人間を選んでくれた旦那さんの存在というのは、こんな私が結婚できた大きな理由の一つです。

旦那さん側のストーリーを何度も聞き出そうとしていますが、いつも冗談を言われ終わるので謎のままです。笑

また「理想を持たない」は「誰でも良い」とか「この人でいいや」という考えとは全く異なります。「縁を見逃さない」ためには「理想を持たない」ことも一つかもしれないと捉えて頂けると嬉しいです。