ハワイ-シャワーツリー

アメリカ大学の常識「逆らうとどうなる?」

アメリカ大学で留学生にはルールがあります。

1学期に必ず「12単位以上とる」ということ。

次学期の授業4クラス(ぎりぎり12単位)の登録を済ませ、夏を楽しんでいた私。

そんなときに起きた悲劇。

意図的にするつもりはなかったものの、そんな状況に…

みなが思う「常識」と、逆の行動をとるしかありませんでした。。

結果はどうなる?

悲惨な状況を救ったのは「常識」では考えられない行動。

「ありえないこと」が、常識はずれな行動を取ったときに起こったという体験談です。

春学期終了

4か月で終わるアメリカ大学の1学期。

春学期が終わり、長い夏休みに突入!

アメリカ大学の夏休みは長く、2か月くらいあったと思います。

休みが始まる前に、次学期の授業登録を済ませるのがいつもの流れでした。

授業登録完了

授業はすべてコンピューターで登録。

人気のクラスはすぐに定員になってしまうので、登録がはじまったらすぐに席を確保します。

留学コストが最小限に収まるよう、2年での最短卒業(編入学での最短)を目指していた私。

私の専攻は、「A2というクラスは、前学期にA1をパスせねばならない」

そんな条件のクラスが多かったので、卒業までのスケジュールを慎重に立てていました。

授業登録が開始され、希望のクラスすべての登録が無事完了!

日本にできるだけ長く滞在

「とにかく4か月間がんばれば、日本に一時帰国できる!」

これが大きなモチベーションの1つだった当時の私。

授業登録の翌日には、そそくさと日本へ。

大学のことは忘れ、たくさんのパワーを日本で吸い込む。

そのパワーが、アメリカ大学での私を大きく支えていました

驚かれるかもしれませんが、アメリカへの帰国日は「授業が始まる前日」笑

アメリカへ出発前日の夜

「念のため、秋学期にとる授業を確認しておこう」

そう思い、日本でパソコンを開き、大学の自分のアカウントへ。

「私の授業登録状況…」

『登録クラス「ゼロ」』

「ん!?」

心臓の鼓動が早くなりました。

「落ち着け、落ち着け、登録したんだから」

深呼吸をして、「確認はこのページじゃないのかも」

色んなページを開いて、数分経ってまた「授業登録状況のページへ」

『登録クラス「ゼロ」』

信じがたい現実が急に現実味をおびて、一瞬頭の中が真っ白に。

目を閉じて冷静に考え、念のため大学からメールでもきていないか確認。

「メールもなにもきていない…」

心臓がバクバクして、なんだか気分が悪くなりました。

「システムトラブルとかなのかも!!汗」

「単位を戻してもらうよう明日オフィスに頼もう」

最悪な気分で再渡米

いつもならシクシク泣く空港の出発ゲート。

この時は「とにかく大学に行って確認しないと」とソワソワ。

心ここにあらずという、なんとも不安な出発をしました。

永遠にも感じるフライト

昨夜も心配でろくに眠れず。

飛行機の中でも一睡もできず。

目はがちがちに開いて、頭の中で「家についたら、荷物を置いて、ファイルを持って、自転車でダッシュで大学へ…」

そんなシュミレーションを繰り返していました。

乗り換えトラブル

長いフライトを終え、さらに乗り換え。

じっと座っていられず、そわそわ次のフライトをゲートで待っていました。

しかし30分前になっても搭乗がはじまらない。

カウンターにはだれもいない。

心配になり係の人を探し聞くことに。

「ゲートが変わったってアナウンス聞こえなかったの?」

なんで、よりによってこんな時に…

単位は消えるし、自分の低い英語力のせいでアナウンスは聞き取れないし…なんだか、どよーんとしてしまいました。笑

着陸

ホストファミリーのママが車でお迎えに来てくれました。

お家について、急いでファイルを手にとりました。

ママに車を頼めばよかったのですが、大学で待たせると悪いと思い自転車で!

立ちこぎのままでダッシュしました。

でも途中で疲れて、ぜーぜーしているときに思いました。

「あぁやっぱりママに頼めばよかった」

なんだか、さらに情けない気持ちになりました。

オフィスの建物に到着

自転車をすごい勢いでロックし、階段をあがりオフィスへ。

なんとか間に合いました!

オフィスの人に事情を説明すると、シンプルでショッキングな返答が!

「消えた単位は戻せない」

原因がなんなのかもわからない。

「登録されたこと、しっかり確認した?」

「授業料はちゃんと振り込んだ?」

もちろん、どちらもしっかりやりました!

うそでしょ…システムトラブルとかじゃないの!?

「なんだか、そんな風に言われると自分のせいとも思えてくる…」

オフィスの人がいいました「もう一度登録しなおすか、もし定員ならウォークインするしかないよ」

原因が私でもシステムトラブルでも、どうにもならないなら、「やるべきことをやるしかないんだ」と自分に言い聞かせました。

時差ボケもありヘトヘト

すり減ったパワーを絞り出し、コンピューターのある家まで急いで帰りました。

「もしかしたら、席がまだ残っているクラスがあるかもしれない」

しかし!

淡い期待もバサッと切り捨てられました。

「希望していた4つのクラス全て、定員オーバーで締め切り」

ショックのあまり、スクリーンを見つめたまま数分動けませんでした。

「もうウォークインしか方法がない」

「ウォークイン」というのは、席がない状態で授業に参加してみること。

希望しているクラスがパソコン上では「定員」でも、もしかしたらクラス初日に現れない人がいるかもしれない。

もしかしたら初日のクラスのあとに、「やっぱりやめた」とキャンセルする人がでるかもしれない。

そんな期待をしつつ、とにかくクラスに行ってみることを言います。

「専攻や人気クラスでのウォークインは難しい」という話は、何度も聞いていました。

「あきらめた方がいい」「あきらめた」という話も聞きました。

「ウォークインは、ほぼ無理」というのが、なんとなく常識的な考えでした。

自分にがっかり

長いフライトのあとの、自転車で片道30分の往復。

体力的にも精神的にもヘトヘト。

でも授業は明日から。

「ギリギリに帰ってきた罰なのか」

「早く授業登録状況をチェックをしなかった私のせいなのか」

でも、「今日オフィスが開いててよかった」

「とにかく寝よう」

決戦の日

「やれることをやってみるしかない」

全クラス「ウォークイン」という、私の中での戦いがはじまりました。

そして結果からお伝えしますと、すべてのクラスで「ウォークイン失敗」

「キャンセルなし」

「決戦の日」の様子

とある専攻のクラス。

教授が出席をとったあと、「呼ばれてない人いる?」

恥ずかしかったので、そっと手をあげると「名前は?」

「定員で授業登録できなかったんです」

授業のあとに教授のもとに行くよう指示され、行くことに…

「いまのところキャンセルもないから、空きはないよ」

他の専攻のクラス。

授業前に教授がクラスにいたので、事情を話してみることに。

「うーん、かなり厳しいよ」

「空きがでたら入れるように、キャンセル待ちとして扱ってもらえませんか?」

「でも登録できるって保証はできないよ」

「それでもいいです」

いや、良くはないんです。

でも、今学期の3クラスをパスせずにとれる、他の専攻クラスがありませんでした。

この3クラスがとれなければ、12単位も専攻と関係のないクラスを取らねばならない。

そんな余裕はありませんでした。

2回目のクラス

実は、この前に専攻以外の1クラスで席を確保しました!

1回目全てのクラスにいった後、希望していたクラスはあきらめ、「とりあえず1クラスだけでも」とまだ空きのあったクラスに登録!

あとは専攻の3クラスのみ。

名前の呼ばれない出席とりでは、「呼ばれていない人」という質問もされなくなりました。

「教授も私の扱いに困っているみたい」

「3回目のクラスでもキャンセルがでなかったら、他の策を考えるしかないのかな」

3回目のクラス

なんと!

すべての3クラスで、席を確保してもらうことができたのです!!

信じられないことです!

3つ中2つのクラスで、授業のあと教授に呼ばれました。

もう1つのクラスでは、授業のあと私から教授とお話をさせてもらいました。

そして、なんと、クラスに参加する許可を得たのです!

「奇跡が起きた」と思いました。笑

もううれしすぎて、ビックリしすぎて、キャンセルがでたのか?どうなったのか聞くのを忘れてしまいました。笑

なぜクラスに参加できたのかは分かりませんが、予定通り登録できました!!

教訓

アメリカ大学留学中、いろいろな予期せぬことが起こるかと思います。

そんな時に役に立つのは「情報」

しかし、どれを信じて良いのか分からなくなるほど、いろいろな情報がたくさん耳に入ってきます。

「みんながそう言っていたから」「誰かがそういう経験をしたから」

そうして決断してしまうこともあるかと思います。

しかし、「みんなに起こることが自分に起こる」とは限りません。

それは良い意味でも悪い意味でも。

留学中は、「人から聞いた話を鵜呑みにするまえに、自分で確認する」ということをモットーにしていました。

聞いた話は、いつの情報かも分かりません。

「友達が言っていたから、こうしたのに」なんて後悔もしたくありません。

同じ状況、または似た状況にいる人でも、経験は個々に異なってきます。

「ウォークインできた/できなかった」

そう聞いたとしても「自分もできる/できない」かは、やってみないとわかりません。

「ウォークインは難しい」というのは、「アメリカ大学での常識」のように扱われていたので、ただ運が良かっただけとも思います。笑

でも常識に流されていたら運にも出会えなかったので、結果オーライです。

補足ストーリー

留学中のありえない悲劇も、良い意味で「常識に逆らう」ことで個人的に救われることが多かったです。

こんなミスをするのは私くらいかとも思い、お恥ずかしいですが…

アメリカ大学の期末テストを受け忘れたことがあります。

期末の時間にいつもの教室に行ったら、見慣れないクラスメイトばかりが座っていました。

数分キョロキョロしていましたが、不安になり、近くに座っていた子に聞いてみると…

「これはそのクラスじゃないよ」

すると、後ろに座っていた方が「そのクラスは、たぶんこの時間の前にテスト終わってるよ」

なんとかせねば!

急いで図書館に行き、教授のオフィスを検索しました。

念のため電話番号もメモして。

自転車を立ちこぎでオフィスのあるビルへ行き、教授の部屋をノック!!

「応答がない」

留学中は携帯電話を持っていなかったので、持ち合わせのコインで公衆電話から教授に電話。

「誰もでない…」

メッセージを残し、茫然としました。

「教授はもうご帰宅されたのかもしれない…」

もう一度オフィスに行きましたが、応答なし。

どうすることもできず、自宅に戻りました。

クラス概要には…

クラス概要をみたら、期末の時間だけ通常よりも早い時間になっていました。

「チェックしなかったなんて、本当に情けない」

しかも「中間、期末を1度でも受けなかった者は、理由にかかわらず単位はあげられない」とかいてありました。

「あぁ、こうに書いてあるのに、すでにメッセージを残しちゃった…非常識なことをしてしまった」

どうしたら良いのか分からず、救いを求め「大学のホームページ」へ。

自分のアカウントを何気なく開くと、教授からメッセージが!!!

「今日〇時から〇時までオフィスにいます。都合が良ければ来てください」

時計をみてすぐダッシュで、教授のもとへ向かいました。

教授に会い、まっすぐ私を見つめる目をみて恥ずかしくなった私は、「クラス概要をしっかり確認せず、時間を間違えてしまったこと」を心から謝りました。

すると、「テストの準備はできてる?」

そう教授がおっしゃり、教授のオフィスでテストを受けさせてくださりました。

優しい教授は私に多くを聞かず、テスト後一言だけおっしゃいました。

「これからは気をつけるんだよ」

2 thoughts on “アメリカ大学の常識「逆らうとどうなる?」”

  1. 面白い記事ありがとうございます。大学ではJournalism みたいなことを勉強されたのですか? 僕は2000年にアメリカの大学から卒業しましたが、未だに当時の苦労に関する悪夢をみます。試験に遅刻したり、授業をミスして、単位を落とすなど。。。;-) そこで何とかした経験があるから、今アメリカでなんとか生きられてるのかなとも思ってますが。

    1. コメントを頂きありがとうございます。いまだに当時の悪夢をみるなんて、心がとっても痛みます。同じ「アメリカ大学留学」という経験でも、そこから受けるインパクトというのは人それぞれ違うんですよね。お話をシェアして頂き感謝しています。どんな経験でも、そこから得た学びというのは宝物ですよね。「あの時があったから今がある」そう思えるhirasawaさんは、本当に素晴らしい心の持ち主なのだと思います。こうしてコメントでお話できて嬉しいです。

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